日本に一時帰国した際の楽しみのひとつに本屋に入り浸ることがあるのですが、この『バリの賢者からの教え』も日本の本屋でたまたま手にとった一冊。
シンガポールへ戻った後にバリに行くことが決まっていたから、なんだか気になったのかもしれません。
ところで、たまたま手にとっただけの本にこんなに付箋が付いているなんてちょっと引いてませんか?大丈夫ですか?
管理人は子供の頃からの本好きでして、あらゆるジャンルの本を読みます(ライアンの代わりに彼の仕事関係の本を読んだ時には、我ながら活字ならなんでもいいのかとツッコミを入れました。)。自己啓発本の類も読み散らかしております。なかなか啓発されないので、まだまだ読みが足りないのかもしれません。
それはさておき。表紙にもあるように、「思い込み」について書かれたこちら。そのテーマについての良書もたくさん読んで来たつもりですが、私にはこの本がとても刺さりました。具体的で実践的、生活の中に例えられていてとてもイメージしやすい。もう5回は読んだかな、もっとかな。
裏表紙に、「待望の文庫化!」とあるので、日本で話題になったベストセラーかと思いきや、アマゾンのレビューが思いの外少なくて、ビックリしました。
最近また読み返しながら、これって雫との関係においてもそうだなぁと思ったのです。
『バリの賢者からの教え』刺さったポイント
私の心に刺さったポイントはたくさんあるけれど、雫に対する思い込みについて考えるにあたり、ヒントになったところをいくつかご紹介します。
思い込んでいることが目の前の現実になる
現実や周囲の世界について思い込んでいることが、フィルターや選択用の眼鏡のような働きをして、信じる方向に進みながら、特に細かいところに目を向けさせます。そうするとさらに思い込みが強くなります。それが繰り返される
ひとつ思い込みがあると、それによってなんらかの行動をとります。そして、その行動が他人の行動に影響を与え、それがまた、あなたの思い込みを強めることになるのです
人は気づかないうちに、まさに自分だけの現実を作っている(中略)それは実際、思い込みの産物でしかない
まとめると。
例えば、同じ場面に遭遇しても、人それぞれその人生観によって受け取り方が違うし、感じ方も違う。AさんにA’という思い込みがあると、Aさんは常に意識がそこに行くから、そういうことばかり目につき、そのA’の思い込みが強くなる。そのA’の思い込みのままBさんと向き合うと、BさんはAさんから影響を受けた行動をとることになり、ますますAさんはA’の思い込みが強くなる。人はそれぞれその思い込みに沿った自分の世界を作り上げている。その独自の世界は、つまりAさんにとってのA’といった世界はAさんにとっては普通のことだから、自分で作り上げた思い込みの世界だと気づくことはない。
雫についての思い込み
雫との出会い(→記事)でもお話ししていますが、雫と初めて会った時の第一印象は賢そうというものでした。多分、私達は無意識に賢そうなコを探していたのだと思います。実際のところはどうなのかわかりませんが(雫にもダメダメな所もいっぱいあるとは思うのですが)、私達にとっては十分賢いと思える雫です。
ワンコとの生活が初めてだった私達は、特に私は変なところに潔癖症的なところがあるので、おトイレ問題は最大級の懸念事項でした。ところが、雫は我が家に来て一発目からおトイレを上手に使ってくれて、その後、ほとんどおトイレのしつけ知らず。我が家に来た雫はまだ離乳食が終わる前だったのに、おトイレ完璧です。最大懸念事項を楽々クリア。もう、これを賢いと言わずしてどうする?!なのです。
賢そうからやっぱり、このコは賢いなぁと上書きされたのです。
基本的に雫のことは賢いと思って見ているわけですから、どんなことでも何をしても賢く見えてしまう。また、雫も私達の期待に答えてくれるので、ますます賢いと思ってしまいます。
私達の世界では雫は相当賢い!というものです。
シンガポールに引越す前のこと。私の地元でお祭りのようなイベントがあって会場にいた時、狆を連れたおばさまがいました。会場が混んでいて危ないからという父のお達しで雫は実家でお留守番していたのですが、すぐさま狆に反応したライアンと私。
おばさまとお話ししていると、このコは愛想がない愛想がないと連発するのです。前に飼っていた犬は尻尾を良く振って愛想があったけど、このコは全然愛想がないと言うのです。
私とライアンは話を聞いて悲しくなりました。そのコは混雑している会場でもおとなしくしているとってもイイコで、私達になでられてうれしそうにライアンと私の間に入ってピッタリくっついていたのです。
そのおばさまは「このコは愛想がない』という思い込みを持っているようでした。私たちから見ると、全然そんなことないのに!
残念ながら、このおばさまはご自分の思い込みのせいで、このコならではの愛情表現を見逃しているのかもしれません。
私達はそんなことないですよ、とお話しましたが、おばさまの耳に、心に届いたかどうか。
そうは言っても、短い立ち話でのこと。そのおばさまが狆ちゃんに対して愛情がないとかあるとか言うつもりは毛頭ありませんし、責めているわけでも全くありません。そもそも私達の言葉が絶対だと言いたいわけでもありません。
ただ、飼い主が自分のペットにどういう思い込みを持っているかで、同じ物事でも受け取り方は全く違うのだなぁと本を読みながら、改めて思いました。
先のおばさまとの立ち話は、この本を手にする数年前のこと。私の思い込みによる世界ではあまりにも強烈だったのでしょう、ずっと忘れられずにいた出来事だったのです。
なぜなら私の世界では、雫は、賢くて感情表現豊かでかわいいというものですから、まさか狆を愛想がないと感じる世界があるなんてゆめゆめ考えたこともなかったからです。
この思い込みというものは、厄介ですが、なんでもポジティブにとればいいというわけでもなく、ネガティブだから悪いということでもなく。
だから、何度もしつこいですが、おばさまのことを良い悪いと言っているのではありません。
少なくとも、雫に対して私達はこんな思い込みをしているおかげで、雫とより良い関係を築けていると思うのです。なんて言ったって、私は雫がいてくれて幸せだし、雫は唯一無二の存在で、まあ色々あっても完璧!と思っているから。願わくは、雫もこの家に来て幸せだなぁと思っているならありがたいのですけれど。
最後に
なるほど!が満載のこちらの本、私が引用した部分はまだまだ序ノ口。より良い人生について考えさせられること、請け合いです。
えー、誤解のないように言っておきますが、犬やペットについて書かれたものではありません。本の触りを読んで、私が考えたこと感じたことを書いてみました。
こちらが、噂の賢い雫さん。
わたち、確かに賢いから。てへぺろ。
うーん、あまり賢そうに見えないけど??
私が熱く語ってしまった本はこちら。
今日もお付き合い頂きありがとうございます。
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