この記事を書いた時と、実際には状況が変わってしまいまして。
この段階では、14年超に渡り治療してきた箇所ではなく、その隣接臓器の手術が必要だったのですが、その後の検査の結果、元々治療していた箇所も治療が必要な状態になっていたことが明らかになりました。
今まで書くことを避けていましたが、私は31歳の時に癌の宣告を受けまして、それから14年に渡り、治療と再発を繰り返してきました。(今の歳がバレましたね、現在45歳です。)悪性細胞は一旦消滅するも再発を繰り返しましたが、幸いにも薬は効くので、進行はしませんでした。
それでも、癌の宣告当時、その歳で癌を宣告された人なんて自分の周りのリアルの世界には誰もいなくて、あってもそれは物語の世界で、しかもそれは、あまりにも使い古されたようなよくある話で。
どうして、自分がこんな目に合わなければならないのか、と事あるごとに思い詰めていました。
ところがそのうち、人間、慣れるものなんですね。
自分が癌患者であることにもそのうち慣れてきて、癌患者である自分を悲観したり、悔しがったりすることも、しまいには考えることも思い出すことも飽きてくるものです。
というのも、私には何の自覚症状がなかったからなんですが(細胞レベルでは悪性でも、本人は自覚症状ゼロ。)、癌患者であることを忘れていることの方が多かったくらいです。
それでも検査は痛いし、治療のための手術なんて多分20回くらい受けているし(全身麻酔下で)、日本に一時帰国するのは嬉しいけれど、それはほとんど痛いのとセットなわけで。
そんな時には否が応でも、癌を思い出してしまいます。健康なら痛い思いをすることなんてないのに、ってね。
そんなこんなで14年超、大事に大事に守り通してきた私の臓器。ついにお別れすることになってしまいました。
そうです、摘出手術を受けねばならなくなってしまったのです。
隣接臓器の方は、良性なのか悪性なのかを診断するために摘出しなければならず、そのタイミングで元々の方も悪いものが見つかってしまったので、合わせ技で摘出することに。
蓋を開けてみれば。
病理の結果は、元々の方も異型細胞レベルではなく、癌まで進行。隣接臓器の方も、悪性。
転移を心配しましたが、そうではなく、両方とも原発癌。
つまりは、知らないうちに重複癌患者になっていました、私。
重複癌なんて、聞くだけで怖そうだけど、転移だったらステージはドッカンと2段階悪くなってしまうので、まあ、ヨシとしておきましょ。。。
隣接の方が悪性だった場合、1ヶ月半後に追加で手術が行われることになっていましたが、とりあえず、様子を見ましょうってことになりました。(いろいろな偶然が重なったおかげです!!!)
元々の方は、摘出することで、全治療が終了となりました!
追加の手術をすぐに行わずに済んで良かったものの、隣接の方が悪性だったことで、手放しで喜べないでいたのですが、よくよく考えれば、忘れることはあったとしても、それでもずっと心に引っかかり、14年も治療をしてきた病気については、これにて治療終了なわけで、とするならば、これに関してはとりあえず完治(自称)ってことでいいんじゃない?
大切な臓器を失ったけれど、思いの外、今のところ喪失感を感じることはなく。
それはこれまでの14年の間、出来得る事は全てやってきたという自負もあったからでしょう。
ライアンも私の様子を見て、無理にポジティブに思おうとしていたり、変に強がっているようでもなく、前に進んでいるように感じる、と。
そうしたら、完治記念ってことで、ライアンがプレゼントをくれました。
写真を撮っていたら、ちるちゃんが入ってきてカメラ目線もくれました。
スマホで写真に撮ると、なぜか東京タワーが小さくなってしまうのだけど、窓全面にどどんと東京タワー、遠くにスカイツリーまで見える眺めの贅沢な病室は、回復中の癒しになったけれども、
追加の手術は今後も無し!この病室に二度と戻らないぞ!と、退院の日に誓いました。
・・・ホントはね、病状やら病名についてもっと詳しく書こうと2000字くらいは書きました。が、途中で止めました。
書いたら、誰かの参考になるかしら?どうだろう?ちょっと考えます。
今日も最後までお付き合い頂きありがとうございます。
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