雫の、月に一回の動物病院のこの日。
シンガポールではペットは公共交通機関の乗車は禁止されているので、いつものようにタクシーで動物病院に向かおうとしていました。アプリでタクシーを呼んで、やっと来たタクシーに乗り込み、いざ出発するも、ものの3メートルも進まないうちにまさかのアクシデント発生。
なんと、タクシーがコンドミニアムの敷地内で縁石に乗り上げ、タイヤをパンクさせる自損事故を起こしてしまったのです。
私たちの体感としては、衝撃というよりも「ん?今の何?」という程度だったのですが、ドライバーはテンパって大騒ぎ。
建物に損害を与えていたら補償しなければならないでしょうし、車もパンク以外の何か問題があるかもしれないからでしょう。客である私たちのことは無視して悪態をつくばかり。動物病院の予約時間は迫っているのですが、別のタクシーを手配してくれる気配など全くありません。
不幸中の幸いだったのはまだ敷地内だったことで、すぐさまコンシェルジュが別のタクシーを手配してくれました。というのも、アプリ上では私たちは既にそのタクシーに乗っていることになっていますので、キャンセルして別のタクシーを手配することが出来ないからです。
で、そのタクシーを手配してくれる時のコンシェルジュの電話のやりとりがすごーーーくチャーミングで、アクシデント中ながらもホッコリとしたのでした。
「タクシーを〇〇に1台お願いします。」
「犬が一匹同乗します。」
「小さくてキュートな犬です。」
(キュートと言いながら、あ!という表情で笑うコンシェルジュ)
「ええ、私のようにかわいい犬なんですよ〜。私はちょっと歳をとってますけどね♪」
(コンシェルジュも、横で聞いていた私達も大爆笑!)
自損したタクシードライバーはどう言い逃れようかとずっとキリキリしていたようですが、私たちは大爆笑のうちに別のタクシーに乗り込み、無事に動物病院の予約時間に間に合いました。
このコンシェルジュは1、2年くらい前に自分のワンコさんを亡くしたのもあって、雫のことをいつもかわいがってくれる方。シンガポールではムスリム(イスラム教徒)のドライバーは犬の乗車を拒否しますので、雫も一緒にタクシーに乗る時には犬も同乗する旨を事前情報で伝える必要があるのですが、その時にその犬がキュートかどうかといった情報は必要ありません(当たり前)。なのについ、キュートと口から飛び出てしまったようで、そしてまたタクシー配車の電話口の方もその話に乗ったようでして。こういうおおらかなところは南国シンガポールらしい楽しいところだなぁと思ったのでした。
はい?キュートな犬ですけど、なにか?
はて、さっきのタクシーの様子はどうなってますの?
動物病院に着いた雫にはちょっとした試練が待ち受けていたのですが、その話は改めて。
今日もお付き合い頂きありがとうございます。
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